略歴
松本一洋 (まつもといちよう)明治26年11月京都市に生まれる。本名謹之助。弟は日本画家松本武雄。45年京都市立美術工芸学校絵画科、大正4年京都市立絵画専門学校を卒業。山元春挙に師事、早苗会で研鑽を積む。4年第9回文展に「壬生狂言の楽屋」で初入選、以後文展・帝展にほぼ毎回出品入選する。昭和2年第8回帝展に「蝉丸」、3年9回に「餞春」で連続して特選となる。4年帝展推薦となる。初期には古典文学に取材した物語絵、歴史風俗画を制作していたがやがて近代的な大和絵を目指すようになる。8年師春挙没後は、高弟川村曼舟に師事、同年第14回帝展に初の審査員として「朝凪」を出品、11年文展委員となり、新文展も毎回出品。この間市立絵画専門学校助教授、後教授、17年曼舟が死去、翌年早苗会は解散となるが、耕人社を結成理事長となる。戦後は日展審査員、運営会参事となる。昭和27年3月9日京都市で没。享年58才。