●《冬夏寺院風景｜双幅》
●森川曽文 筆｜冬＝金閣寺雪景・夏＝興聖寺夏雨
●冬は雪に沈む金閣寺を静かに描き、墨の濃淡で凛とした空気を表現。
●夏は宇治・興聖寺の深緑と清流を涼やかに描き、小舟の動きが奥行きを添えています。
●冬の静謐 × 夏の清涼が対照的に響き合う、季節飾りとして格調ある双幅。
●四条派らしい柔らかな筆致で、和室・茶席・現代空間にも自然に馴染む一対です。
●冬掛け、夏掛けとしてお楽しみいただけます。

●本紙・表装共におおむね良好です。
●【金閣寺雪景】
●雪に沈む金閣寺を、曽文先生は墨の濃淡と余白を巧みに操り、静寂そのものとして描き出しています。
●金閣の輪郭は柔らかく、雪を抱いた山裾と水面が、冬特有の澄んだ空気を感じさせます。荘厳さを誇張せず、自然の中に溶け込むように描くことで、金閣寺の象徴性と精神性が静かに立ち上がります。
冬の床の間に掛ければ、凛とした気配と格調を添える一幅です。

裏面上部に汚れがありますが、鑑賞には問題ない箇所です。

●【興聖寺夏雨】
●夏景は、宇治・興聖寺の“琴坂”を思わせる深緑と清流の気配に、しとやかな雨の降りしきる情緒が重なる一図。
●霧と雨に煙る山間、濡れた木々が重層的な奥行きをつくり、小舟と人物のわずかな動きが、静けさの中に柔らかな生命感を添えています。
●曽文先生は四条派らしい柔らかな筆線で、興聖寺がもつ「水音の寺」の涼味と禅境を、雨の気配とともにいっそう深く表現しています。
しっとりとした空気が画面全体に広がり、見る者に深呼吸を促すような清涼感があり、夏の設えに最適な一幅です。

本紙左側にシミがありますが、鑑賞には気にならない程度です。

本紙左側にシミがありますが、鑑賞には気にならない程度です。

鑑定箱（箱書人: 深田直城）・二重箱

【箱の表面】

【箱の裏面】